落書きやステッカーが敷き詰められた道を歩いていると、
"若者が集まる汚い街"という渋谷の認識がリアルに感じられます。
空白を埋めるように次々と増えて行くそれらは、
スクランブル交差点を時にぶつかりながら狭々と歩く人々の姿と重なるようです。
住人や区は落書きを消す活動を日々続けていますが、永遠に続く鼬ごっこが終わる気配は感じられません。
…その空間でBGMのように鳴り響く駅周辺の工事音。
無機質なマテリアルによって巨大なビルが次々と建設され、渋谷のアイデンティティを置き去りに変貌しつつある気もします。
アートを語る非合法の落書きは無くなるべきですが、綺麗な高層ビルがその人の心を変えることも難しいでしょう。
"カウンターカルチャー"と"便利で綺麗な街作り"それぞれを織り交ぜた、
表参道でも秋葉原でも新宿でもない姿が渋谷らしい渋谷のように思います。

本作品は渋谷の落書き溢れるストリートへ、擬似的にグラフィックを合成したものです。
描く消すの鼬ごっこを続けるのではなく、渋谷という街を魅力的に飾る合法的なアートがあれば
独自のアイデンティティを継承したカルチャーが生まれる気がします。
そんな言い訳を思いつき、アートを語り合法的に落書きをしたい自己顕示を表現した作品です。
-   April 1, 2018  -
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